第10回 複素数

オンデマンドで受講する場合は、本題に入る前に必ず連絡の動画を見てください。

虚数

概要

動画の解説を参照

普通の数 (実数) は、2乗すると必ず0以上になりますが、2乗して負になる数 (虚数) を考えることができます。
(この定義に従うものを、後述の複素数と区別して純虚数とも呼びます)
虚数単位 \(i\) を2乗すると -1 になります。
\(i^2=-1\)
虚数単位を使えば、2乗して負になるあらゆる数を定義できます。
例えば \(a = 2i\) なら、2乗した値はこうなります。
\( \begin{eqnarray} a^2 =&& (2i)^2\\ =&& 2^2i^2\\ =&& 4\times(-1)\\ =&&-4 \end{eqnarray} \)
「…を2乗すると \(A\) になる」と「2乗して \(A\) になる数は…」の違い
上の2つの文は一見同じに見えますが、厳密には異なります。
例えば \(i^2\) は -1 ですが、2乗して -1 になる数はこれだけではありません。
\( \begin{eqnarray} (-i)^2 =&& (-1)^2i^2\\ =&& 1\times(-1)\\ =&& -1 \end{eqnarray} \)
のように、「\(-i\)」も2乗すれば -1 になります。つまり
正 : \(i\) を2乗すると -1
誤 : 2乗して -1 になる数は \(i\)
正 : 2乗して -1 になる数は \(i\) と \(-i\)
ということです。
「\(i\) と \(-i\)」はまとめて \(\pm i\) とも書けます。

複素数

概要

動画の解説を参照

実数と虚数の和を複素数と呼びます。
たとえば
\(z = 3 + 5i\)
などが複素数です。一般的に書くと
\(z = a + bi\) (\(a, b\) は実数)
です。 \(a\) を \(z\) の実部、 \(b\) を \(z\) の虚部 と呼びます。
複素数から実部・虚部を取り出すには、その前に \(\mathrm{Re}, \mathrm{Im}\) をつけて書きます (\(\mathrm{Re}\) は Real の Re, \(\mathrm{Im}\) は Imaginary の Im です)。
\(\mathrm{Re} \hspace{1pt} z = a\)
\(\mathrm{Im} \hspace{1pt} z = b\)
実部、虚部は 0 でもかまいません。たとえば \(a=4, b=0\) なら
\(z=4\)
\(a=0, b=2\) なら
\(z=2i\)
のようになります。つまり、実数も虚数 (純虚数) も複素数の一種だということです。
\(z = a + bi\) なら、\(z\) の大きさは以下のように定義されます。
\(|z| = \sqrt{a^2+b^2}\)
つまり、
\(|z| = \sqrt{(\mathrm{Re} \hspace{1pt} z)^2+(\mathrm{Im} \hspace{1pt} z)^2}\)
なので、複素数の大きさは実部と虚部の二乗和平方根で求められます。

課題1

※ 準備 : 学籍番号を入れて「入力」をクリック (タップ) してください。


\(z\)\(i\) の場合の \(z\) の大きさを求めてください。計算過程も書き、四捨五入して小数第2位までにしてください。
課題1解説

複素数の和と差

動画の解説を参照

複素数どうしの足し算は普通の数と同様にできます。 \(z_1 = a + bi, z_2 = c+di\) なら、以下のようになります。
\( \begin{eqnarray} &&z_1+z_2\\ =&& (a+bi)+(c+di)\\ =&& (a+c) + (b+d)i \end{eqnarray} \)
つまり
\(\mathrm{Re}(z_1+z_2) = \mathrm{Re} \hspace{1pt} z_1 + \mathrm{Re} \hspace{1pt} z_2 \)
\(\mathrm{Im}(z_1+z_2) = \mathrm{Im} \hspace{1pt} z_1 + \mathrm{Im} \hspace{1pt} z_2 \)
なので、
複素数の和の実部は複素数の実部の和
複素数の和の虚部は複素数の虚部の和
で求められます。
複素数どうしの引き算もほぼ同様です。
\( \begin{eqnarray} &&z_1-z_2\\ =&& (a+bi)-(c+di)\\ =&& (a-c) + (b-d)i \end{eqnarray} \)
つまり
\(\mathrm{Re}(z_1-z_2) = \mathrm{Re} \hspace{1pt} z_1 - \mathrm{Re} \hspace{1pt} z_2 \)
\(\mathrm{Im}(z_1-z_2) = \mathrm{Im} \hspace{1pt} z_1 - \mathrm{Im} \hspace{1pt} z_2 \)
なので、
複素数の差の実部は複素数の実部の差
複素数の差の虚部は複素数の虚部の差
で求められます。

課題2

\(z_1\)\(i\), \(z_2\)\(i\) の場合の \(z_1+z_2\) を求めてください。計算過程も書いてください。
課題2解説

課題3

\(z_1\)\(i\), \(z_2\)\(i\) の場合の \(z_1-z_2\) を求めてください。計算過程も書いてください。
課題3解説

複素数の積と商

動画の解説を参照

複素数の積は和・差に比べると少し複雑になります。
\( \begin{eqnarray} &&z_1z_2\\ =&& (a+bi)(c+di)\\ =&& ac + adi + bci + bdi^2\\ =&& (ac-bd) + (ad + bc)i\\ \end{eqnarray} \)
つまり
\(\mathrm{Re}(z_1z_2) = \mathrm{Re} \hspace{1pt} z_1 \ \mathrm{Re} \hspace{1pt} z_2 - \mathrm{Im} \hspace{1pt} z_1 \ \mathrm{Im} \hspace{1pt} z_2\)
\(\mathrm{Im}(z_1z_2) = \mathrm{Re} \hspace{1pt} z_1 \ \mathrm{Im} \hspace{1pt} z_2 + \mathrm{Im} \hspace{1pt} z_1 \ \mathrm{Re} \hspace{1pt} z_2\)
なので、
複素数の積の実部は複素数の実部の積から虚部の積を引いたもの
複素数の積の虚部は複素数の2通りの実部・虚部の積を足したもの
で求められます。
複素数の商はさらに複雑です。
\( \begin{eqnarray} &&\frac{z_1}{z_2}\\ =&& \frac{a+bi}{c+di}\\ =&& \frac{(a+bi)(c-di)}{(c+di)(c-di)}\\ =&& \frac{(ac+bd) + (bc-ad)i}{c^2+d^2}\\ =&& \frac{ac+bd}{c^2+d^2}+\frac{bc-ad}{c^2+d^2}i\\ \end{eqnarray} \)
つまり、
\(\mathrm{Re}\Large{(\frac{z_1}{z_2})}\)\(\ = \ \) \(\Large{\frac{\mathrm{Re} \hspace{1pt} z_1 \mathrm{Re} \hspace{1pt} z_2 + \mathrm{Im} \hspace{1pt} z_1 \mathrm{Im} \hspace{1pt} z_2} {|z_2|^2}}\)

\(\mathrm{Im}\Large{(\frac{z_1}{z_2})}\)\(\ = \ \) \(\Large{\frac{\mathrm{Im} \hspace{1pt} z_1 \mathrm{Re} \hspace{1pt} z_2 - \mathrm{Re} \hspace{1pt} z_1 \mathrm{Im} \hspace{1pt} z_2} {|z_2|^2}}\)
なので、
複素数の商の実部は複素数の実部の積と虚部の積の和を分母の複素数の大きさの2乗で割ったもの
複素数の商の虚部は分子の虚部と分母の実部の積から分子の実と分母の虚部の積を引き分母の複素数の大きさの2乗で割ったもの
で求められます。

課題4

\(z_1\)\(i\), \(z_2\)\(i\) の場合の \(z_1z_2\) を求めてください。計算過程も書いてください。
課題4解説

課題5

\(z_1\)\(i\), \(z_2\)\(i\) の場合の \(z_1/z_2\) を求めてください。実部・虚部の分数は約分しなくてもかまいません。計算過程も書いてください。
課題5解説

課題

課題解答