第11回 課題解答

課題1

回路2のタイミングチャートをもとに、クロック \(CK\) の 1周期分 を1単位として、それが0~15回繰り返されたときの \(Q_C\), \(Q_B\), \(Q_A\) の値を表にまとめてください。
ただし、上記の図のように \(Q_C\), \(Q_B\), \(Q_A\) の初期値はどれも0であるものとします。
解答
8以降は0~7の繰り返しになる。
これは \(Q_CQ_BQ_A\) が \(CK\) のカウント数を8で割った余りに対応する2進数であるともいえる。
\(CK\)のカウント \(Q_C\) \(Q_B\) \(Q_A\)
0 0 0 0
1 0 0 1
2 0 1 0
3 0 1 1
4 1 0 0
5 1 0 1
6 1 1 0
7 1 1 1
8 0 0 0
9 0 0 1
10 0 1 0
11 0 1 1
12 1 0 0
13 1 0 1
14 1 1 0
15 1 1 1

課題2

回路3で初期値が \(Q_A=0\), \(Q_B=1\), \(Q_C=0\) で \(CK\) の5周期目の \(CK=1\) のときに \(CLR=0\) のパルスを入れた場合のタイミングチャートを描いてください。

解答
\(Q_A\) の立ち下がりで \(Q_B\) が変化し、\(Q_B\) の立ち下がりで \(Q_C\) が変化する。
また、どの出力も \(CLR\) が 0 のときに 0 になる。


課題3

クリア機能をもつ16進カウンタの回路図を描いてください。ただし、4つ目の JK-FF の出力は \(Q_D\) と呼ぶものとします。

解答
8進カウンタの右にもう1つJK-FFを追加するだけ。
配線が接する場所に黒丸を描くこと、分岐のない場所には黒丸を描かないことに注意。

課題4

テキストの表10.3に準じた形で、10進カウンタの真理値表を書いてください。

解答
8進カウンタをベースにして5進カウンタを作るときと同様に考える。
16進カウンタをベースにして作るので、出力は4つ使う。
出力 \(Q_DQ_CQ_BQ_A\) を2進数として読んだものが10になったときに強制的に0にする。
入力個数 出力
\(CK\) \(Q_D\) \(Q_C\) \(Q_B\) \(Q_A\)
0 0 0 0 0
1 0 0 0 1
2 0 0 1 0
3 0 0 1 1
4 0 1 0 0
5 0 1 0 1
6 0 1 1 0
7 0 1 1 1
8 1 0 0 0
9 1 0 0 1
10 (1 0 1 0)
0 0 0 0

課題5

クリア機能をもつ10進カウンタの回路図を描いてください。

解答
カウントが10になるとき、つまり \(Q_DQ_CQ_BQ_A\) が (1 0 1 0) になったとき、または外部からの \(CLR\) の入力が0になったときにすべての出力が0になるようにするには、
\(\bar{Q}_AQ_B\bar{Q}_CQ_D\) が1になったとき、または \(CLR\) が0になったときに1になる \(Y\) を作り、それをすべての JK-FF の CLRに入れればよい。

\(Y=\overline{\bar{Q}_AQ_B\bar{Q}_CQ_D+\overline{CLR}}\)


課題4の真理値表を見ると、\(Q_D\) が1になるのは カウントが8になって以降だけ。
そのうち \(Q_B\) が1になるのはカウントが10になったときが初めてなので、リセットの条件は「\(Q_D=1\) かつ \(Q_B=1\)」でよい。
そのため、以下のように簡略化しても同様の動作になる。