動画の解説を参照
ベクトルでは、普通の数のように足し算を行うことができます。
例えばこのような2つのベクトルがあるとき、
\(\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}\)、つまり \(\boldsymbol{a}\) に \(\boldsymbol{b}\) を足したベクトルは、「\(\boldsymbol{a}\) の終点と
\(\boldsymbol{b}\) の始点を一致させたときの、\(\boldsymbol{a}\) の始点から \(\boldsymbol{b}\) の終点に向かうベクトルです。
図で描くとこうなります。
ベクトルを足してできたベクトルの成分は、元のベクトルの各成分を足したものになります。
例えば、上の例のベクトルは \(\boldsymbol{a}=(5, 3)\), \(\boldsymbol{b}=(4, -2)\) です。
このとき \(\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}\) の始点から終点の位置関係を考えると、
横方向には「右に5進んで、さらに4進む」のでトータルの相対位置は「右に9」、
縦方向には「上に3進んで、下に2進む」のでトータルの相対位置は「上に1」になります。
このように、図からも \(\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}=(9, 1)\) であることがわかります。
図を描かなくても、\(\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}=(5+4, 3-2)=(9,1)\) のように計算できます。
一方、\(\boldsymbol{b}+\boldsymbol{a}\)、つまり \(\boldsymbol{b}\) に \(\boldsymbol{a}\) を足したベクトルは、「\(\boldsymbol{b}\)
の終点と
\(\boldsymbol{a}\) の始点を一致させたときの、\(\boldsymbol{b}\) の始点から \(\boldsymbol{a}\) の終点に向かうベクトル」です。
図で描くとこうなります。
2つの図を重ねて描くとこうなるので、\(\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b} = \boldsymbol{b}+\boldsymbol{a}\) であることがわかります。
成分を計算してみても同じになることが確かめられます。
このことを「ベクトルの和では交換則が成り立つ」と言います。
以上のことをもとにすれば3つ以上のベクトルの和も求められます。
このような3つのベクトルで考えると、
\(\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}+\boldsymbol{c}\) は \(\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}\) に \(\boldsymbol{c}\)
を足したものなので、このようになります。
要するに、ベクトルを順につないで最初のベクトルの始点から最後のベクトルの終点に向かうのが「全部を足したベクトル」になります。
そのベクトルの成分は、3つのベクトルの x成分, y成分を足したものになります。
この例では \(\boldsymbol{a}=(5, 3)\), \(\boldsymbol{b}=(4, -2)\), \(\boldsymbol{c}=(-2, -2)\) なので、
\(\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}+\boldsymbol{c} = (5+4-2, 3-2-2) = (7, -1)\)
となります。
動画の解説を参照
ベクトルどうしで引き算を行うときは、まず引かれるベクトルの逆向きのベクトルを考えます。
\(\boldsymbol{b}\) と大きさが同じで向きが正反対のベクトルを \(\boldsymbol{b}\) の
逆ベクトルと言い、\(-\boldsymbol{b}\)
のように書きます。
このような \(\boldsymbol{a}\), \(\boldsymbol{b}\) では、
\(\boldsymbol{a}-\boldsymbol{b}\) は \(\boldsymbol{a}\) に \(-\boldsymbol{b}\) を足したものなので、このようになります。
ベクトルの和の成分が元のベクトルの成分の和であることを使えば、\(\boldsymbol{a}-\boldsymbol{b}\) の成分は \(\boldsymbol{a}\) と \(-\boldsymbol{b}\) の
x成分, y成分の和、
つまり \(\boldsymbol{a}\) と \(\boldsymbol{b}\) の x成分, y成分の差で求められることがわかります。
この例では \(\boldsymbol{a}=(5, 3)\), \(\boldsymbol{b}=(4, -2)\) なので、
\(\boldsymbol{a}-\boldsymbol{b} = (5-4, 3-(-2)) = (1, 5)\)
となります。
課題1の \(\boldsymbol{d}\), \(\boldsymbol{e}\) について、\(\boldsymbol{d}-\boldsymbol{e}\) の成分を求め、書き下してください。計算過程も書いてください。
動画の解説を参照
スカラーとは、向きを持たず大きさだけを持つ量のことをいいます。厳密にはより深い意味がありますが、ここでは整数や (プログラミング的な用語としての) 実数のことです。
例えばベクトル \(\boldsymbol{c}\) と向きが同じで、大きさが2倍のベクトルは \(2\boldsymbol{c}\) のように書きます(「2」はベクトルではないので細字で書くことに注意)。
\(\boldsymbol{c}=(-2, -2)\) なら \(2\boldsymbol{c}=(-2\times2, -2\times2)=(-4, -4)\) になります。