第4回 座標系

オンデマンドで受講する場合は、本題に入る前に必ず連絡の動画を見てください。

2次元の極座標系

概要

動画の解説を参照

2次元の平面上にある点の位置は \(x, y\) の2つの量を決めれば確定させられます。
これを「自由度が2である」といいます。
あらためて座標の定義を書くと以下のようになります。
\(x\) : 原点から点までのX軸方向の距離
\(y\) : 原点から点までのY軸方向の距離
このような位置の決め方を直交座標系といいます。

一般的にはこの直交座標系が使われることが多いですが、点の位置を確定する方法はこれだけではありません。
次のようなものを定義すると、その2つの値を決めれば点の位置が確定します。
\(r\) : 原点から点までの距離
\(\theta\) : \(x\)軸と原点と点をつないだ線分の角度
この \(r, \theta\) を座標として点の位置を決める方法を極座標系といいます。

直交座標系と極座標系の座標は、互いに以下の関係にあります。
\(x = r\cos\theta\)
\(y = r\sin\theta\)
\(r = \sqrt{x^2+y^2}\)
\(\theta = \tan^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{y}{x}}\right)\)
座標値の範囲
直交座標系とは異なり、極座標系の座標 \(r, \theta\) には範囲の制限があります。
\(r\) はその定義 (距離) から負の値になることはありません。
また、\(\theta\) に360を足したり引いたりしても同じ点を表すので、一般には0を中心とした半回転ずつの範囲の数値に制限します。
\(x=0\) の場合
\(\theta\) を求める式のカッコの中の分数
\(\Large{\frac{y}{x}}\)
は、\(x=0, y\neq0\) のときは「0で割る」という演算になるので計算できません。
しかし、直交座標系の (0, 1) の点で図を描いてみれば \(\theta=\) 90°になることはわかります。つまり、
\(\tan^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{y}{x}}\right)\)
で \(y\) → 1, \(x\) → 0 にすれば90°になるはずだということです。
Excelでは「ATAN2(x座標, y座標)」という関数を使えばこの値が計算できます。
多くのプログラミング言語にも同様の関数があります。




なお、\(x=0, y=0\), つまり点がちょうど原点の位置にあるときは、\(r=0\) で \(\theta\) の値は決められなくなります。

課題1

※ 準備 : 学籍番号を入れて「入力」をクリック (タップ) してください。


極座標系での座標が \(r=\) , \(\theta=\) ° の点の、直交座標系での座標を求めてください。
計算過程も書き、結果は四捨五入して小数第2位までにしてください。

課題1解説

Excelでは、学籍番号「3124000」の問題 (\(r=\) 0.83, \(\theta=\) 77°) なら
\(x\) は=0.83*COS(RADIANS(77)) \(y\) は=0.83*SIN(RADIANS(77)) で求められます。

「真・関数電卓」でも計算できます。
ただし、その場合は角度を「°」の単位で入力・表示できるようにするため、設定をこのように (「Deg」が白になるように) しておく必要があります。
(DegはDegrees (度), RadはRadians (ラジアン) の略です)

学籍番号「3124000」の問題 (\(r=\) 0.83, \(\theta=\) 77°) なら、\(x\) はこう、\(y\) はこうすれば求められます。

課題2

直交座標系での座標が \(x=\) , \(y=\) の点の、極座標系での座標を求めてください。
ただし、\(\theta\) の単位は「°」にしてください。
計算過程も書き、四捨五入して \(r\) は小数第2位まで、\(\theta\) は整数にしてください。

課題2解説

学籍番号「3124000」の問題 (\(x=\) 0.75, \(y=\) 0.49) は、Excelでは
\(r\) は=SQRT(0.75^2+0.49^2) \(\theta\) は=DEGREES(ATAN2(0.75,0.49)) で求められます。

\(\theta\) の公式の有効範囲
\((x, y)=(1, -1)\) では
=DEGREES(ATAN2(1,-1)) から \(\theta=-45\)°

\((x, y)=(-1, 1)\) では
=DEGREES(ATAN2(-1,1)) から \(\theta=135\)° のように正しい角度が計算できますが、\(\theta = \tan^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{y}{x}}\right)\) の公式のカッコの中はどちらも -1 となり、\(\theta\) は -45°という計算結果になってしまいます。 同様に、\((x, y)=(-1, -1)\), つまり本来 \(\theta=-135\)° の場合もこの公式だと 45°になってしまいます。
つまり、この公式は \(x\gt 0\) のときしか正しい値を返してくれません。

例外が起こらない公式は多少煩雑になりますが、
\(y\geq 0\) の場合は \(\theta = \cos^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{x}{\sqrt{x^2+y^2}}}\right)\)
\(y\lt 0\) の場合は \(\theta = -\cos^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{x}{\sqrt{x^2+y^2}}}\right)\)
です。このように場合分けすれば電卓でも常に正しい値を計算できます。

そのため、\(\theta\) は Excelを使って計算することをお勧めします。

円柱座標系

概要

動画の解説を参照

3次元空間にある点の位置を確定するには、3つの量が必要になります。つまり、この場合は「自由度が3である」ということです。
空間内の点を表すときも、一般的には \(x, y, z\) からなる直交座標系が使われます。
\(x\) : 原点から点までのX軸方向の距離
\(y\) : 原点から点までのY軸方向の距離
\(z\) : 原点から点までのZ軸方向の距離
別の表し方として、以下の3つの座標を使う円柱座標系 (または円筒座標系) があります。
\(\rho\) : 原点と点からXY平面に射影した点までの距離
\(\theta\) : \(x\)軸と原点と点からXY平面に射影した点を結ぶ線分の角度
\(z\) : 原点から点までのZ軸方向の距離 (直交座標系の \(z\) と同じ)
\(\rho\) はギリシャ文字で、「ロー」と読みます。英語の「P」「p」と混同しないように注意してください。
手書きでは「ぐるっと一筆書き」です (逆に、英語の「ピー」を書くときには2画にする必要があります)。

直交座標系と円柱座標系の座標は、互いに以下の関係にあります。
\(x = \rho\cos\theta\)
\(y = \rho\sin\theta\)
\(z = z\)
\(\rho = \sqrt{x^2+y^2}\)
\(\theta = \tan^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{y}{x}}\right)\)
\(z = z\)
座標値の範囲
2次元の極座標系の座標と同様に \(\rho, \theta\) にも範囲の制限があります。 \(z\) には範囲の制限はありません。

課題3

円柱座標系での座標が \(\rho=\) , \(\theta=\) °, \(z=\) の点の、直交座標系での座標を求めてください。
計算過程も書き、結果は四捨五入して小数第2位までにしてください。

課題3解説

学籍番号「3124000」の問題 (\(\rho=\) 0.99, \(\theta=\) -15°, \(z=\) 0.60) は、Excelでは
\(x\) は=0.99*COS(RADIANS(-15)) \(y\) は=0.99*SIN(RADIANS(-15)) で、「真・関数電卓」では \(x\) はこう、\(y\) はこうすれば求められます。
※ \(z\) は円柱座標系と同じ値なので計算は不要ですが、問いに対する答えとしてこれも書く必要があります。

課題4

直交座標系での座標が \(x=\) , \(y=\) , \(z=\) の点の、円柱座標系での座標を求めてください。
ただし、\(\theta\) の単位は「°」にしてください。
計算過程も書き、四捨五入して \(\rho\), \(z\) は小数第2位まで、\(\theta\) は整数にしてください。

課題4解説

学籍番号「3124000」の問題 (\(x=\) 0.59, \(y=\) 0.99) は、Excelでは
\(\rho\) は=SQRT(0.59^2+0.99^2) \(\theta\) は=DEGREES(ATAN2(0.59,0.99)) で求められます。
※ \(z\) は直交座標系と同じ値なので計算は不要ですが、問いに対する答えとしてこれも書く必要があります。
2次元の極座標系と同様に、電卓で求めるなら
\(y\geq 0\) の場合は \(\theta = \cos^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{x}{\sqrt{x^2+y^2}}}\right)\)
\(y\lt 0\) の場合は \(\theta = -\cos^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{x}{\sqrt{x^2+y^2}}}\right)\)
です。煩雑なので、\(\theta\) は Excelを使って計算することをお勧めします。

3次元の極座標系

概要

動画の解説を参照

3次元空間の点を、1つの長さと2つの角度で表す方法もあります。
図のような \(r, \theta, \phi\) という3つの座標を使って表す方法を (3次元の) 極座標系と呼びます。
それぞれの座標の定義は以下の通りです。
\(r\) : 原点から点までの距離
\(\theta\) : \(z\)軸と原点と点をつないだ線分の角度
\(\phi\) : \(x\)軸と点からXY平面に射影した点と原点をつないだ線分の角度

直交座標系と極座標系の座標は、互いに以下の関係にあります。
\(x=r\sin\theta\cos\phi\)
\(y=r\sin\theta\sin\phi\)
\(z=r\cos\theta\)
\(r = \sqrt{x^2+y^2+z^2}\)

\(\theta = \tan^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{\sqrt{x^2+y^2}}{z}}\right)\)

\(\phi = \tan^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{y}{x}}\right)\)
座標値の範囲
\(r\) はその定義 (距離) から負の値になることはありません (2次元のときと同様です)。
\(\theta\) は原点と点をつないだ線分がZ軸の正方向を向いていれば0°, Z軸の負方向を向いていれば180°です。これらが \(\theta\) の下限と上限になります。
\(\phi\) は2次元の極座標の \(\theta\) と同様の理由で一般には0を中心とした半回転ずつの範囲の数値に制限します。
緯度・経度との関係
(厳密にはずれがありますが) 地球を球と考えれば、地表の点の極座標は以下のようになります。 (例えば南緯30°は北緯-30°、西経20°は東経-20°と読み替える)

課題5

極座標系での座標が \(r=\) , \(\theta=\) °, \(\phi=\) ° の点の、直交座標系での座標を求めてください。
計算過程も書き、結果は四捨五入して小数第2位までにしてください。

課題5解説 (動画では \(y\) の計算のときにExcelの計算結果を読み間違えています(老眼))

学籍番号「3124000」の問題 (\(r=\) 0.79, \(\theta=\) 76°, \(\phi=\) 78°) は、Excelでは
\(x\) は=0.79*SIN(RADIANS(76))*COS(RADIANS(78)) \(y\) は=0.79*SIN(RADIANS(76))*SIN(RADIANS(78)) \(z\) は=0.79*COS(RADIANS(76)) で、「真・関数電卓」では \(x\) はこう、\(y\) はこう、\(z\) はこうすれば求められます。

課題6

直交座標系での座標が \(x=\) , \(y=\) , \(z=\) の点の、極座標系での座標を求めてください。
ただし、\(\phi\), \(\theta\) の単位は「°」にしてください。
計算過程も書き、四捨五入して \(r\) は小数第2位まで、\(\phi\), \(\theta\) は整数にしてください。

課題6解説 (動画では忘れていますが \(\theta\), \(\phi\) の計算の最後には「°」をつけてください)

学籍番号「3124000」の問題 (\(x=\) 0.28, \(y=\) 0.43, \(z=\) 0.95) は、Excelでは
\(r\) は=SQRT(0.28^2+0.43^2+0.95^2) \(\theta\) は=DEGREES(ATAN2(0.95,SQRT(0.28^2+0.43^2))) \(\phi\) は=DEGREES(ATAN2(0.28,0.43)) で求められます。
\(\theta, \phi\) を求める公式はこれまでと同様に注意が必要です。
Excelで求める場合は座標をそのまま使えばいいだけですが、電卓で計算するならこうです。
\(\theta = \cos^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{z}{\sqrt{x^2+y^2+z^2}}}\right)\)
\(y\geq 0\) の場合は \(\phi = \cos^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{x}{\sqrt{x^2+y^2}}}\right)\)
\(y\lt 0\) の場合は \(\phi = -\cos^{-1}\)\(\left(\Large{\frac{x}{\sqrt{x^2+y^2}}}\right)\)

課題

課題解答