第3回 平面ベクトル:内積 (1)

本題に入る前に、必ず動画の連絡を見てください。

内積の定義

概要

動画の解説を参照

2本のベクトルの内積は \(\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{b}\) のように書きます。
その値はもとのベクトルの大きさとベクトルどうしの角度 \(\theta\) から以下のように定義されます。

\(\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{b}=\left|\boldsymbol{a}\right|\left|\boldsymbol{b}\right|\cos(\theta)\)


2本のベクトルの大きさを変えずに \(\theta\) を変えてみると、内積の性質がわかってきます。
\(-180\le\theta\le180\) の範囲で考えると、 \(\cos(\theta)\) は \(\theta=0\) のときに 1、\(\theta=\pm90\) で 0、\(\theta=\pm180\) で -1 になります。



つまり、ベクトルの向きが近いほど内積は大きく、互いに垂直なら内積は0、逆側を向いていれば内積は負の値になることがわかります。

課題1

以下の表を完成させてください。ただし \(\boldsymbol{a}\), \(\boldsymbol{b}\) はどちらも単位ベクトルであるものとします。
電卓等を使って計算し、端数は四捨五入して小数第二位までにしてください。
結果が整数や小数第一位で終わる値の場合も、小数第二位まで書いてください。
\(\theta\) -180 -150 -120 -90 -60 -30 0 30 60 90 120 150 180
\(\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{b}\) -1.00 1.00 -1.00
課題1ヒント

基底ベクトル

概要

動画の解説を参照

座標軸の正の方向を向いた単位ベクトルを基底ベクトルといいます。
x方向の基底ベクトルは \(\boldsymbol{e}_x\)、y方向の基底ベクトルは \(\boldsymbol{e}_y\) のように書きます。


どんな平面ベクトルも、この2つのベクトルを使って表すことができます。
例えば \(\boldsymbol{a} = (5, 3)\) は


このような \(\boldsymbol{b} = (5, 0)\) と \(\boldsymbol{c} = (0, 3)\) の和、つまり \(\boldsymbol{a}=\boldsymbol{b}+\boldsymbol{c}\) のように表せます。


さらに、\(\boldsymbol{b}\) は \(\boldsymbol{e}_x\) の長さを5倍にしたものなので \(\boldsymbol{b}=5\boldsymbol{e}_x\)、 \(\boldsymbol{c}\) は \(\boldsymbol{e}_y\) の長さを3倍にしたものなので \(\boldsymbol{c}=3\boldsymbol{e}_y\) となります。
つまり、\(\boldsymbol{a}\) は

\(\boldsymbol{a}=5\boldsymbol{e}_x+3\boldsymbol{e}_y\)

のように書けることになります。 この表現を線型結合といいます。

課題2

\(\boldsymbol{b}=(5, -1)\), \(\boldsymbol{c}=(3, 2)\) を線型結合で表してください。
さらに、\(\boldsymbol{c}-\boldsymbol{b}\) を図示し、線型結合で表してください。
図には各ベクトルの始点・終点が明確になるように、縦横の罫線を入れてください。

課題2ヒント

成分を使った内積の求め方

概要

動画の解説を参照

\(\boldsymbol{a} = (5, 3)\) と \(\boldsymbol{b}=(4, -2)\) の内積を考えてみましょう。

線型結合の形で書くと、それぞれ

\(\boldsymbol{a}=5\boldsymbol{e}_x+3\boldsymbol{e}_y\)
\(\boldsymbol{b}=4\boldsymbol{e}_x-2\boldsymbol{e}_y\)

という形になるので、

\( \begin{eqnarray} &&\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{b}\\ =&&(5\boldsymbol{e}_x+3\boldsymbol{e}_y)\cdot(4\boldsymbol{e}_x-2\boldsymbol{e}_y)\\ =&&20\boldsymbol{e}_x\cdot\boldsymbol{e}_x -10\boldsymbol{e}_x\cdot\boldsymbol{e}_y +12\boldsymbol{e}_y\cdot\boldsymbol{e}_x -6\boldsymbol{e}_y\cdot\boldsymbol{e}_y \end{eqnarray} \)


となります。ここで \(\boldsymbol{e}_x\), \(\boldsymbol{e}_y\) がどちらも単位ベクトルで、2つが互いに垂直であることを考えれば

\(\boldsymbol{e}_x\cdot\boldsymbol{e}_x=\left|\boldsymbol{e}_x\right|\left|\boldsymbol{e}_x\right|\cos(0)=1\)
\(\boldsymbol{e}_x\cdot\boldsymbol{e}_y=\left|\boldsymbol{e}_x\right|\left|\boldsymbol{e}_y\right|\cos(90)=0\)
\(\boldsymbol{e}_y\cdot\boldsymbol{e}_x=\left|\boldsymbol{e}_y\right|\left|\boldsymbol{e}_x\right|\cos(-90)=0\)
\(\boldsymbol{e}_y\cdot\boldsymbol{e}_y=\left|\boldsymbol{e}_y\right|\left|\boldsymbol{e}_y\right|\cos(0)=1\)

になることがわかります。結局

\(\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{b}\) \(=20\times1-10\times0+12\times0-6\times1\) \(=20-6=14\)

となります。

要するに、「それぞれの x成分どうしをかけたもの」「それぞれの y成分どうしをかけたもの」を足したものがベクトルの内積になります。

課題3

\(\boldsymbol{d}\cdot\boldsymbol{e}\) が正の値になる2つのベクトル \(\boldsymbol{d}\), \(\boldsymbol{e}\) を考え、 \(\boldsymbol{d}\), \(\boldsymbol{e}\) の始点を一致させた図を描いてください。
同様に、\(\boldsymbol{f}\cdot\boldsymbol{g}\) が負の値になる2つのベクトル \(\boldsymbol{f}\), \(\boldsymbol{g}\) を考え、 \(\boldsymbol{f}\), \(\boldsymbol{g}\) の始点を一致させた図を描いてください。
これらのベクトルの成分は、自分で任意に決めてください。
図には各ベクトルの始点・終点が明確になるように、縦横の罫線を入れてください。

また、計算過程も含めて \(\boldsymbol{d}\cdot\boldsymbol{e}\)、\(\boldsymbol{f}\cdot\boldsymbol{g}\) の値を求めてください。
課題3ヒント
※ \(\boldsymbol{d}\), \(\boldsymbol{e}\), \(\boldsymbol{f}\), \(\boldsymbol{g}\) はこの動画の例とは異なったものにしてください。

課題

課題解答