動画の解説を参照
前回見たように、2本のベクトル \(\boldsymbol{a}\), \(\boldsymbol{b}\) の外積は \(\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b}\)
はもとのベクトルの大きさとベクトルどうしの角度 \(\theta\) で以下のように書けます (\(\theta\) は \(\boldsymbol{a}\) からみた \(\boldsymbol{b}\)
の向きで、反時計回りが正)。
\(\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b}=\left|\boldsymbol{a}\right|\left|\boldsymbol{b}\right|\sin(\theta)\)
2本のベクトルに一致する2辺をもつ三角形を考えて、\(a=\left|\boldsymbol{a}\right|\), \(b=\left|\boldsymbol{b}\right|\)
とすると、この三角形の面積は
\(S=\frac{1}{2}ah\)
\(=\frac{1}{2}ab\sin(\theta)\) となります。
外積の形と見比べると、\(0 < \theta < 180\) であれば
\(S\)\(=\frac{1}{2}\)\(\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b}\)
であることがわかります。一方、\(-180 < \theta < 0\) のときは外積が負になるので
\(S\)\(=-\frac{1}{2}\)\(\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b}\)
となります。外積は \(\boldsymbol{a}\), \(\boldsymbol{b}\) の位置関係によって正・負が変わりますが、面積は常に正なので、
\(S=\frac{1}{2}\left|\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b}\right|\)
が常に成り立ちます。
※ 準備 : 学籍番号を入れて「入力」をクリック (タップ) してください。
(0, 0),
(
,
),
(
,
)
を頂点とする三角形の図を描いてください。
図には頂点の座標が明確になるように、縦横の罫線を入れてください。
またその三角形の面積を、ベクトルの外積を使って求めてください。
計算過程も書いてください。
課題1ヒント
動画の解説を参照
このような平行四辺形の面積も、外積を使えば簡単に求められます。
これは合同な2つの三角形2つに分けられます。
これらの辺に対応するベクトル \(\boldsymbol{a}\), \(\boldsymbol{b}\) を考えれば、
面積はさきほどの三角形の2倍、つまり
\(S=\left|\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b}\right|\)
になることがわかります。
(0, 0),
(
,
),
(
,
),
(
,
)
を頂点とする四角形の図を描いてください (必ず平行四辺形になります)。
図には頂点の座標が明確になるように、縦横の罫線を入れてください。
またその四角形の面積を、ベクトルの外積を使って求めてください。
計算過程も書いてください。
課題2ヒント
動画の解説を参照
「てこ」は弱い力でものを動かしたりするのに使われるもので、普通の棒のてこなら支点からの距離と力が反比例します。
この図の場合なら、「長さ」×「重さ」が同じであれば釣り合います。
外積を使ってこれを考えることもできます。
支点からそれぞれの力がかかる点を結ぶベクトルを \(\boldsymbol{r}_a\), \(\boldsymbol{r}_b\)、
おもりにかかる重力を \(\boldsymbol{F}_a\), \(\boldsymbol{F}_b\) とすると図のようになります。
それぞれ前者と後者の外積を求めると、
\(N_a\)
\(=\boldsymbol{r}_a\times\boldsymbol{F}_a\)
\(=-2\times(-2)\)
\(=4\)
\(N_b\)
\(=\boldsymbol{r}_b\times\boldsymbol{F}_b\)
\(=4\times(-1)\)
\(=-4\)
となります。
これらの量は、「棒を反時計回りに回そうとする力」と解釈することができます。
これを
力のモーメントまたは
トルクと呼びます。
このケースでは、力のモーメントの総量が0なので結果としてつりあうことになります。
もう少し複雑な場合でも力のモーメントが役に立ちます。例えばこのような中心 (0, 0) に軸がある円板の4か所に重さ1の重りをつけた場合は、
軸の部分を支点としてこのように4組のベクトルの組合せができます。
\(\boldsymbol{r}_a=(-1, 2)\), \(\boldsymbol{F}_a=(0, -1)\)
\(\boldsymbol{r}_b=(-2, 0)\), \(\boldsymbol{F}_b=(0, -1)\)
\(\boldsymbol{r}_c=(2, 1)\), \(\boldsymbol{F}_c=(0, -1)\)
\(\boldsymbol{r}_d=(1, -1)\), \(\boldsymbol{F}_d=(0, -1)\)
これらについて力のモーメントを計算すると
\(N_a\)
\(=\boldsymbol{r}_a\times\boldsymbol{F}_a\)
\(=-1\times(-1)\)
\(=1\)
\(N_b\)
\(=\boldsymbol{r}_b\times\boldsymbol{F}_b\)
\(=-2\times(-1)\)
\(=2\)
\(N_c\)
\(=\boldsymbol{r}_c\times\boldsymbol{F}_c\)
\(=2\times(-1)\)
\(=-2\)
\(N_d\)
\(=\boldsymbol{r}_d\times\boldsymbol{F}_d\)
\(=1\times(-1)\)
\(=-1\)
のようになり、すべて加えると0になります。つまり、この場合も全体としてつり合い、円板は回転しないことがわかります。
概要のような円板に3つの重り a, b, c をつけ、つりあうように自分で考えて位置と重さを決めてください。
導出過程も書いてください。
課題3ヒント
(この動画と同じ値は使わないでください)