第11回 複素平面

オンデマンドで受講する場合は、本題に入る前に必ず連絡の動画を見てください。

複素平面

概要

動画の解説を参照

横座標を実部、縦座標を虚部の値とする平面を考えると、1つの複素数はこの平面上の点に対応します。
例えば \(z=3+2i\) ならこのようになります。このような平面を複素平面と呼びます。

複素平面の横軸を実軸、縦軸を虚軸と呼びます。

普通の2次元の平面と比べるとこのようになります。
普通の平面 複素平面
横座標 \(x\) \(\mathrm{Re} \hspace{1pt} z\)
縦座標 \(y\) \(\mathrm{Im} \hspace{1pt} z\)
横軸 \(x\)軸 実軸
縦軸 \(y\)軸 虚軸

課題1

※ 準備 : 学籍番号を入れて「入力」をクリック (タップ) してください。


複素平面で \(z\)\(i\) を図示してください。
課題1解説

加算 : 複素平面上の平行移動

概要

動画の解説を参照

複素平面上での平行移動は、複素数の足し算に対応します。
例えば
\(z_1 = 2+2i\)
\(z_2 = 1+3i\)
の場合、これらの和はこうなります。
\(z_3=z_1+z_2 = (2+1)+(2+3)i\)
つまり、「\(1+3i\) を足す」は、「右に1, 上に3移動する」と同じ意味になります。
これは平面ベクトルで
\(\boldsymbol{a} = (2, 2)\)
\(\boldsymbol{b} = (1, 3)\)
のときに
\(\boldsymbol{a}+ \boldsymbol{b}= (2+1, 2+3)\)
になり、\(\boldsymbol{a}\) の先端から \(\boldsymbol{b}\) をつないだものが \(\boldsymbol{a}+ \boldsymbol{b}\) であることと似ています。

極座標系と極形式

概要

動画の解説を参照

第4回で見た極座標系では、\(x, y\) のかわりに \(r, \theta\) で点の位置を決めました。

複素平面でも同様に「距離と角度」でひとつの複素数を表すことができます。
ただし、ここでは角度の単位として「°」のかわりに「rad」(ラジアン) を使います。
1回転、つまり360° が \(2\pi\) rad なので、
°単位の角度の値 = rad 単位の角度の値 × 180 / \(\pi\)
rad 単位の角度の値 = °単位の角度の値 × \(\pi\) / 180
となります。
下図の角度 「1.25 rad」 はおよそ 72° です。

この場合、\(z\) の実部 (横座標) と虚部 (縦座標) は
\(\mathrm{Re} \hspace{1pt} z = 6.13\cos(1.25)\)
\(\mathrm{Im} \hspace{1pt} z = 6.13\sin(1.25)\)
つまり、
\(z = 6.13(\cos(1.25) + i\sin(1.25))\)
となります。\(r\) を原点からの距離、\(\theta\) を原点とその複素数を結ぶ線分と実軸のなす角 (反時計回りを正とする) とすれば
\(z = r(\cos\theta + i\sin\theta)\)・・・(1)
のように一般化できます。
普通の2次元の平面と比較すれば、\(r, \theta\) は \(z\) の実部と虚部で
\(r=\sqrt{(\mathrm{Re} \hspace{1pt} z)^2+(\mathrm{Im} \hspace{1pt} z)^2} = |z|\)
\(\theta=\hspace{2pt}\) atan2\((\mathrm{Re} \hspace{1pt} z, \mathrm{Im} \hspace{1pt} z)\)
のように表せます。
「atan2」はExcelの関数です。多くのプログラミング言語にも同名の関数がありますが、引数の順番が逆のケースが多いです。

一方、数学のオイラーの公式 (\(x\) は rad 単位) はこのような形の式です (\(e\) はネイピア数 と呼ばれるもので、2.718...のような値の無限小数です)。
\(e^{ix} = \cos x + i\sin x\)
これを使うと、(1) 式は以下のように簡単な形で表せます。このような表し方を極形式と呼びます。
\(z = re^{i\theta}\)・・・(2)

課題2

課題1の \(z\) を極形式で書いてください。
ただし、\(r, \theta\) はどちらも四捨五入して小数第2位までにしてください。
課題2解説

実数倍 : 複素平面上のスケール変換

動画の解説を参照

\(z_1=1+3i\) は実部・虚部を使った表現では左図、極形式だと右図のようになります ( \(r\) と \(\theta\) の値3.16, 1.25は近似値です)。
 

\(z_1\) を2倍した複素数 \(z_2\) は
\(z_2=2z_1=2(1+3i) =2+6i\)
のように、実部も虚部も \(z_1\) の2倍の値になります。これを複素平面上に示すとこのようになります。
さっきと比べると、\(r\) は2倍になりましたが、\(\theta\) は変わりません。
 
これは平面ベクトルで
\(\boldsymbol{a} = (1, 3)\)
のときに
\(2\boldsymbol{a}= (2\times2, 2\times3)=(4,6)\)
になり、\(2\boldsymbol{a}\) が \(\boldsymbol{a}\) の向きを変えないまま長さを2倍したものであることと似ています。

課題3

課題1, 2の複素数 \(z\) に をかけた複素数 \(z'\) を実部・虚部を使った形式、極形式の両方で書いてください。
ただし、大きさ・角度は四捨五入して小数第2位までにしてください。
課題3解説

※ 原理的には \(z'\) の大きさは \(z\) の大きさにこの問題の数値の絶対値をかけたものになるはずですが、課題2で求めた値は四捨五入済みの値なので、単純にかけただけでは本来と異なる結果になることがあります。\(z'\) の実部・虚部の値から大きさを求めてください。

単位複素数との積 : 複素平面上の回転

動画の解説を参照

このような複素数を考えてみましょう。
\(z=e^{id}=\cos d + i\sin d\)
この複素数の大きさは
\(|z|=\sqrt{\cos^2 d + \sin^2 d}=1\)
になります。このような「大きさが 1 の複素数」を単位複素数と呼びます。

普通の複素数に単位複素数をかけるどうなるか見てみましょう。
例えば \(z_1=6.00e^{1.35i}\) に単位複素数 \(e^{0.78i}\) をかけた複素数 \(z_2\) は
\(z_2=z_1e^{0.78i}\)
\(=6.00e^{1.35i}e^{0.78i}\)
\(=6.00e^{1.35i+0.78i}\)
\(=6.00e^{2.13i}\)
となります。つまり、\(r\) は変わらずに \(\theta\) が 0.78 増えます。
これは複素平面上で「反時計回りに0.78回転させる」という変換にあたります。
 
極座標で角度の範囲を-180~180に限定したのと同様に、複素数の極形式でも一般に \(\theta\) は \(-\pi\) ~ \(\pi\) の範囲に収まるようにします。
つまり、 と \(e^{(0.2-2 \pi)i}\), \(e^{0.2i}\), \(e^{(0.2+2 \pi)i}\), \(e^{(0.2+4 \pi)i}\),... はどれも同じものですが、一般には \(e^{0.2i}\) と書きます。

課題4

課題1~3の複素数 \(z\) に \(e\)\(i\) をかけた複素数 \(z''\) を極形式で書いてください。
ただし、角度は\(-\pi\) ~ \(\pi\) の範囲に収まるようにし、四捨五入して小数第2位までにしてください。
課題4解説

この課題では、わざと計算結果の角度が \(-\pi\) ~ \(\pi\) の範囲からはみ出すようにしてあります。
そのため、「\(z\) の \(\theta\)」+「この問題でかける単位複素数の角度」に \(2\pi\) を足すか、\(2\pi\) を引く必要があります。
このケースでも、課題2の結果は「\(z\) の \(\theta\)」を四捨五入したものなので、それをそのまま使うと本来と違う結果になる可能性があります。
「\(z\) の \(\theta\)」には「atan2(\(\mathrm{Re} \hspace{1pt} z, \mathrm{Im} \hspace{1pt} z)\)」を使ってください。

課題

課題解答